勉強の質と量のどちらが大切か

勉強の質と量のどちらが大切かというのは勉強法一般の話題でよく出てくるものだと思います。

しかし、この問題について考えることは正直言って何の意味もありません。

「AとBのどちらが大切か」という問いの立て方をするとAとBのいずれかを選ばなければならないとか、AとBが両立しない或いは関係がないかのような前提に立ってしまいがちです。しかし、実際のところAとBの中間など、別の選択肢を取ることができ(当然それ以外の答えもあり得ます)、それが最も合理的である場合もあるわけですし、AとBに関連性がある場合もあるわけです。

勉強の質と量というのはなぜか対比的に議論されがちですが、結局、(例えば)試験に合格するのが目的であればどちらも可能な限り良くするに越したことはないのです。

このうちどちらかを選ぶということには意味はなく、むしろ無理に選ぼうとすると、それは意識的、或いは無意識的に選ばなかった方を犠牲にして楽をしようとしてしまうという結果につながりかねません。

つまり、あえて勉強の量が大事だと考えた人は量さえこなせば質は多少犠牲にしても良いと考えてしまいがちになり、あえて勉強の質が大事だと考えた人は質の高い勉強さえしていればその分量を減らしても良いと考えてしまいがちです。

勉強の質と量はそもそもトレードオフの関係に立っていないので、どちらかを選ぶことは意味がない上に、無理にどちらかを選択すると必要のない妥協をしてしまうことにつながりかねない点で問題があるということです。

あくまで試験の合格、合格可能性の最大化を目的とするのであれば、結局のところ①勉強の量は可能な限り多く(人それぞれ客観的な意味で使える時間は異なるとは思いますが、その中で出来るだけ多く量をこなすことが最も合理的です)、②勉強の質も可能な限り高めるのが最適だということになります。

あまりに当たり前すぎる結論ですが、質と量のどちらが大切かと考えてしまうと、このような当たり前の現実から目を逸らすことになってしまいます。

 

 

とはいえ、ここまで質と量のどちらかが重要かを考える意味はないといっておきながら、あえて最初にどちらを選ぶべきかと言われたら、自分は「量」を選びます。

量は客観的に測定しやすいです。

時間という観点もあるかもしれませんし、解いた問題数、ページ数など、数字で表して観測することができます。

一方で、質というのは何を表しているのかがより曖昧です。

確かに、例えば同じ10時間であっても、どれだけ集中しているか、どれだけ効率的に理解・記憶など得点につながる成果が得られたかという点で異なることはいくらでもあり得ます(人によってそれぞれだと思いますし、同一人物であっても時や状況などによって幅はあると思います)。しかし、そうはいっても質の高い勉強かどうかというのはやはり量に比べるとわかりづらいものでしょう。

しかも、最初のうちは質の高い勉強がいきなり出来るとは限りません。むしろ、最初のうちはさまざまな勉強法があるうち、自分に合ったものを試行錯誤する必要があったり、その勉強自体への慣れや知識・理解が不十分であったりするため、質の高い勉強をするのは難しいことの方が多いでしょう(もちろん意識的に質を高めようとすることが重要です)。

一方、量をこなすのはある意味わかりやすい基準です。人によっては勉強に割ける時間が少ない、ということもあるかもしれませんが、少なくとも合格可能性の最大化、そして合格を目的にするのであれば、自分ができる範囲内で勉強の量を最大化するように意識すれば良いのです。

よく勉強時間だけ考慮しても意味がないという話も聞きますし、確かにそれもそうだとは思いますが、まずはできるだけ多く勉強時間を増やす、そしてその次に解く問題数や読むページ数などを増やすという意識で勉強していきます。

そして、実は量をこなすことで質も向上していきます。全く何も考えずに量だけこなすというのであれば別ですが、量をこなしていくうちに、自分に合った効率の良いやり方やその分野に対する慣れ、さらには勉強すること自体への慣れが出てきて、質が高まってくるはずです。

最初から質を高めようと思っても中々難しく、むしろ質を重視しているから量はこなさなくて良いのだという言い訳を許してしまいますが、最初のうちはとにかく量をこなそうと考えて実践していき、その過程で質は犠牲にしても良いのだとは考えないように意識して勉強を継続していけば、最終的には勉強の質も量も最大化することができ、合格可能性の最大化、そして合格という目的を達成することができます。

 

まとめると、そもそも勉強の質と量のどちらかを選ぶことは意味がなく、質も量も大事だが、あえて最初にどちらを重視すべきかといったら量ということになります。

 

 

 

 

 

 

 

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