今回は「みんなで☆オンライン自主ゼミ」に読み上げとしてアップしているオリジナル論証からおそらく理解の難しい訴因変更の可否の論証を引用してみました。(あくまで個人的な理解に基づくものですので、誤りがあったらすみません)
今回はわかりやすいように装飾をつけてみました(逆に見づらくなっているかもしれません(笑))
論点69 訴因変更の可否
★訴因変更が公訴事実の同一性を害しない限度でしか認められないとする312条1項の趣旨は、被告人の防御を不当に害しないようにする点にある。
(※A=(1)もとの訴因(2)交換前訴因、B=(1)新しく追加される訴因(2)交換後訴因)
(1)そして、①論理的に両立する訴因を追加請求する場合、公訴事実の同一性を害しないといえるには、被告への不意打ちを防ぐため、公訴事実が単一である必要がある。
(※AとB両立→(A+B)=単一)
(2)一方、②論理的に両立しない訴因について訴因変更する場合は、訴因の交換的変更請求をすることになる。この場合、公訴事実の同一性を害しないといえるには、被告への不意打ちを防ぐため、「交換される前の訴因」と「交換した後の新しい訴因」の基本的事実関係が同一である必要がある。
(すなわち、狭義の公訴事実の同一性が問題となる。)
(※AとB非両立→Aに代えてBを訴因にするという交換するには、A≒Bでないと被告に不意打ち)
【以下、上記(1)(2)をそれぞれ検討】
(1)①両訴因が論理的に両立するため、訴因を追加的に請求する場合
(すなわち、公訴事実の単一性が問題となる場合)
「もとの訴因」と「新しく追加される訴因」が実体法上一罪の関係にある場合、その新しく追加される訴因を追加したとしても、両訴因はもともと実体法上一罪の関係にある以上、防御の範囲は不当に広がらないから、被告への不意打ちとはならない。そこで、「もとの訴因」と「新しく追加される訴因」が実体法上一罪の関係にある場合は、公訴事実の同一性を害しないものとして訴因変更ができると考える。
(2)②両訴因が論理的に両立しないため、訴因を交換的に請求する場合
(すなわち、狭義の公訴事実の同一性が問題となる場合)
「交換される前の訴因」と「交換した後の新しい訴因」の基本的事実関係が同一である場合は、被告への不意打ちとならず、公訴事実の同一性を害しないものとして訴因変更ができると考える。
※最終的に基本的事実関係が同一(A≒B)といえれば訴因変更OK
基本的事実関係が同一といえるかは、犯行日時、場所、犯行態様、被害品などの諸事情から判断する。
※これは考慮要素。問題文から逆算して想起できればOK
(以下、ABに食い違いがあるせいで基本的事実関係が同一かがすぐに判定できず、非両立基準を補充的に用いる)
そして、この諸事情を考慮した際に、両訴因の事実関係に多少の食い違いがあるせいで基本的事実関係が同一とはいえないと思える場合であっても、(α)両訴因の事実関係がある程度共通する一方で、(β)両訴因が非両立の関係にある場合は、結局両訴因の事実は同一のものと評価できるため(被告への不意打ちとならず)、基本的事実関係が同一といえると考える。
※勝手な個人的理解。基本的事実関係が同一であるかが基準ということは、そもそもA=Bということまでいう必要がない(誰がどう見てもA=Bならそもそも訴因変更する意味あるんですかね?)→訴因の交換をするときに、さすがにA≠Bであれば被告にとっては不意打ちなので訴因変更×→ということはA≒BといえればA=BでなくてもOK→たとえばA,Bの訴因事実の犯行日時に多少の食い違いがあるけど、(α)他の要素はある程度共通(β)AとBが非両立といえれば→AかBのどちらかの犯行日時はきっと何かの間違いで、結局AとBは同じ事実のことを指しているといってよいし、被告にとっても、そもそもAについて争っていたのだから、同じ事実を指すといえるBに交換されたところで不意打ちにはならない→よって訴因変更が可能である。(最初のところは結論から逆算しているので論理的には怪しい気がしますが、こう考えると覚えやすい気がします)
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